
「本気ですれば たいていなことはできる」
行動指針「すぐやる・今やる・最後までやる」
日創研経営研究会を主宰する株式会社日本創造教育研究所(以下、日創研)は、2026年3月をもちまして創業40年目を迎えます。創業当初の状況は決して楽観視できるものではなく、むしろ自ら断崖の淵に立つ思いでした。マンションの一室から創業し、「具体的に明確に肯定的に『目標』を持つ」、「中小企業の活性化」の目的と使命を一貫して堅持しながら歩んでまいりました。
しかしながら、力量不足ゆえに、創業メンバーや社員の皆さん、日創研経営研究会会員の皆様にご負担をおかけしてまいりました。今日(こんにち)の私たちがありますのも、ひとえに皆様のご支援の賜物と深く感謝申し上げます。「百里を行く者は九十を半ばとす」の心境で、創業40年目の節目となる2026年度は、改めて原点回帰を期す所存です。
2025年度は、浜松ホトニクスの中興の祖であり、実質的な創業者でいらっしゃる晝馬輝夫元会長の「『できない』と言わずにやってみろ!」というお言葉を本部会長方針として掲げました。
そして2026年度は、創業以来大切にしてきた後藤静香先生の詩集『権威』より、「本気」の一編の中から「本気ですれば たいていなことはできる」を本部会長方針として掲げます。
「本 気」
本気ですれば たいていなことはできる
本気ですれば なんでも面白い
本気でしていると だれかが助けてくれる
人間を幸福にするために 本気で働いているものは
みんな幸福で みんなえらい
(後藤静香『権威』東京清交会)
2026年度は、本部会長方針を実践し、
1.本気でコア・コンピタンス経営を行う
2.本気で可能思考4段階に取り組む、
3.本気で社長力・管理力・現場力の三位一体経営を推進する
ことを、会員の皆様にお願い申し上げます。
行動指針として掲げた、「すぐやる・今やる・最後までやる」は、この超競争時代に取り残されないための行動指針で、人間力・考える力・仕事力・感謝力が試される時代に入りました。
1987年にSA研修・SC研修・LT研修が始まりました。最初のSA研修は27名であり、研修初日の実習の後に頂戴したご意見は、今でも忘れることはできません。「荒唐無稽な理想論につきあってはいられない。私は帰ります。」。日創研の発起人のお一人のご紹介で、中堅企業で立派な会社の社長様からのご意見でした。
その方とは一度関係が途絶えたように見受けられましたが、後日法人会員に入会いただき、幹部社員さんや社員さんをご派遣いただきました。お互い口論した過程において、人の情けに触れさせていただきました。
約7年後、その社長様より丁重なお手紙を頂戴しました。ご病気によりご逝去が間近でいらっしゃいましたが、実習のことをずっと気にされておられ、そのお言葉や生きる意味合いと励ましのお言葉には、大変深い感銘を受けました。
伊勢の修養団で手にした『権威』という詩集の「本気」の一編が苦しい創業期の支えでした。部屋中に詩を貼って励んだ日々が懐かしく思い出されます。
歴代の各地会長・事務局長・本部役員、各地会員様に賜った恩義を忘れることなく、さらに誠実に職務を果たしていきたく思います。
本部後援事業として開催した「エグゼクティブ・リーダーシップ(目標実現)ビジネスセミナー」には、1,261名の皆様がご参加され、各単会や会員企業ごとにグループに分かれて学んでいただきました。「顧客価値向上」と「人財の採用・教育・定着」について、3年後の目標と具体策を策定いただきました。
5人グループでの開催にこだわり、無理なご協力をお願いしましたが、お陰でご参加された各地経営研究会会員も、「グループが一枚岩になって討議し、アドバイスをしあうようになりました」というお声を多くいただきました。
特に、目標がなかった会社の社員様には、最適な刺激であったようです。再度、可能思考の成長型マインドセットになり、三位一体経営で顧客価値づくりに挑まれるようで、全員で3年後の目標を設定して、大いにモチベーションが高まっているようです。
働き方改革以降、「仕事をすることは悪」という考えは、今後目標なき会社において、緩い職場を生み出していきます。目的や目標は、人間が思うところあってこそ生まれるものです。
スタンフォード大学にあるロダンの「考える人」の像は、考えているというよりも、「思うところ」を自らに深く問いかけている姿のように、教会に行くたびに感じたことを思い出します。
パスカルは、人間は弱いと定義し「人間は死刑囚」とすら述べています。「『死』を潜在的に恐れ、それ故に真に生きる力を失い、まるで逃避するごとく時間を無駄にしている。だが、人間は考える葦だ。人間はどう生きるかを考えることで、どんな偉大なことでも成し遂げる力をもつ存在なのだ」とも定義しています。
エグゼクティブ・リーダーシップ(目標実現)ビジネスセミナーで、改めて日創研経営研究会のチームワークの強さを感じました。各地会長・事務局長のリーダーシップ、本部副会長・本部会長特別補佐・本部事務局長・本部監事をはじめとした本部役員のリーダーシップが、自らの「思うところ」を実行に移していただいた結果が1,261名のご参加となったものと思います。
本部会長として、ご参加いただいた皆様と日創研経営研究会会員の皆様方には重ねて感謝申し上げますと共に、能登半島地震被災者様に届くようにお見舞いさせていただきます。
一橋大学名誉教授で、形式知・暗黙知・実践知などの知識創造理論の研究で、2008年にウォール・ストリート・ジャーナルの「最も影響力のある思想家20」に選出、2013年には最も影響力のある思想家50人を選ぶ「Thinkers50」の生涯功労賞を受賞され、月刊『理念と経営』や日創研でもお世話になりました野中郁次郎先生が、2025年1月25日にお亡くなりになられました。
お別れの会には、ユニクロの柳井さんをはじめ多くの方が参列されましたが、私もお棺に手を合わせて最後のお別れをしました。
お別れの会で頂戴した野中郁次郎先生のご遺言ともいうべきメッセージカードの文章について、ユニクロの柳井さんが、雑誌のインタビューで次のようにコメントされていました。
「メッセージカードには『人は関係性の中で人になる 異質との出会いを楽しもう 忖度(そんたく)するな! 全身全霊で知的コンバットせよ』とも書かれています。素晴らしいですよね。野中先生が言いたかったことは、ここに集約されているのではないでしょうか。」
(特集-野中郁次郎 魂のエール 「知の経営を取り戻せ」-PROLOGUE-ファーストリテイリング 柳井 正会長兼社長野中氏の遺訓を語る 「忖度の経営」から脱せよ 日経ビジネス 2025年04月07号 日経BP)
2026年度具体的方針
実践策1)
入会トライアル(愛媛モデル)の継続的努力と各地経営研究会での正しい活用の確立
2025年度7月より、トライアル特別委員会からの報告が、
1.トライアル参加者「実績」ランキング(人数)
2.本入会「人数」ランキング
3.本入会「率」ランキング
4.愛媛モデルの効果
5.コメント量ランキング(文字数)
と、定量的なものへと深化し、活動の成果がより明確に把握できるようになりました
入会トライアル(愛媛モデル)の定義は、企業の人財採用から着想を得た、体験入会による組織的な増員活動を通して、会における課題を明確にし、それを解決することで活性化に導く仕組みです。
入会トライアル(愛媛モデル)は、単なる会員拡大ではなく、課題を可視化し、改善のきっかけを作る“組織活性化の仕掛け” であること。入会トライアル(愛媛モデル)は、純粋な貢献欲求から生れたものです。
中小企業は今後どうあるべきかを啓蒙し、トライアル入会者のご発展を真摯に考える習慣を身につけなければ、会社の未来も、日創研経営研究会の未来もありません。「本気ですれば たいていなことはできる」のです。
トライアル特別委員会の目的や目標に対して、我々は正しい活用で本気で取り組むべきだと思います。
実践策2)
「理念と経営」経営者の会とのWin-Winの関係
「理念と経営」経営者の会の景山良康第4代会長におかれましては、高橋勇直前会長の志を受け、「理念と経営」経営者の会の支部勉強会の開催、2025年度は設立20周年記念事業として5時間セミナーと全国大会を促進いただきました。
景山会長には、「より一層の月刊『理念と経営』の活用と、各地経営研究会での開催、経営革新のために共に学び、叱咤激励しあう場づくりをしていただきたい。」と、お願いしました。
理由は、聞くだけのインプットの学びではなく、今まで以上に経営理念が必要な時代であり、やはり、中小企業のマインドイノベーションが不可欠な時代だからこそ、暗黙知を鍛え、行間を読む力を高め、学んだことをアウトプットして、自社の経営理念を浸透させる力強く求められるからです。
経営者同士がディスカッションを通して交流を図り、より良い人脈のネットワークづくりのためにも、日創研経営研究会と、「理念と経営」経営者の会のマッチングはベストな情報交換の場です。
入会トライアル(愛媛モデル)のバックアップを含めて、月刊『理念と経営』と日創研経営研究会との協働関係をお願いしたく思います。「理念と経営」経営者の会が協力し、①新たな入会者をつくる仕組み、②定着率を高める仕組みを確立し、③引き続き会の存在意義を高める年にしていきたいと思います。
実践策3)
「エグゼクティブ・リーダーシップ(目標実現)ビジネスセミナー」のフォローアップ(5人グループ)
厳しい時代だからこそ、組織を束ねるエグゼクティブの特別な努力と能力開発が大切だと思います。そのためにも、オンラインでつなぎ、本部会長が講師として「*3年後の目標の進捗度セミナー(仮称)」にてフォローアップさせていただく構想です。
そして、より強固なコア・コンピタンス経営を行うべく、松原専務理事の業績アップ上級コースでの3年後計画立案をお勧めします。
実践策4)
公正取引研究委員会の活用と情報交換
公正取引研究委員会は、日本の大手企業を批判する委員会ではなく、多くの中小企業が稼げる会社にすることを目的に、2025年度から新設しました。
経済産業省・中小企業庁が取り組む適正取引支援のための
1.価格交渉講習会
2.価格交渉サポート窓口
3.下請かけこみ寺
4.下請法に関する講習会
5.下請法/価格交渉
などを、公正取引研究委員会が広報し、これらの啓蒙運動などを通して、日創研経営研究会会員からのご相談や啓蒙などを行うものです。
改正下請法が2025年5月に国会で成立し、2026年1月1日から「下請法」から「中小受託取引適正化法、通称:取適法」へ、用語についても「親事業者(元請け)」は「委託事業者」、「下請事業者(下請け)」は「中小受託事業者」、「下請代金」は「製造委託等代金」等に、それぞれ改正されます。
経済産業省や中小企業庁が、産業構造の歪みに取り組み始めたこともあり、改正下請法を正しく理解した上で、2026年度はしっかりとした情報交換をしていただき、価格決定権のない中小企業をどう守るか、委員長より方針を出してもらいます。
実践策5)
年2回(3月・11月)の本部主催勉強会のオンライン開催
2026年度も、本部主催勉強会をウェビナー形式で開催します。
● 3月(第2回本部理事会後): 公正取引研究委員会 担当
●11月(第5回本部理事会後): 経営理念・戦略委員会 担当
各地でお集まりいただいての例会扱いなど、本部主催勉強会の最大活用をお願いいたします。
実践策6)
全国大会in和歌山を成功させる
2026年度全国大会in和歌山の大会テーマは、「『前進』〜Just Do It〜(ジャスト
ドゥ イット)素直な心でやってみなはれ」です。
和歌山県は、パナソニックの松下幸之助創業者の生誕地です。松下幸之助翁の人となりや、和歌山での生い立ちや、大阪での奉公時代などを含めて、パナソニックの「遵奉すべき精神(七精神)」などを学びたいと思います。
青森経営研究会の千葉元会長は、パナソニックの元社員だったこともあり、朝礼での唱和を丸暗記しておられました。また、松下電送元社長の故・木野親之先生は「経営問答塾」で、様々なエピソードをお教えくださいました。
中小企業受難の時代、我々中小企業の経営課題をどのように乗り越えて機会にしていくのか。現在でも生き続ける「松下経営哲学」からも学んでいきたく思います。
実践策7)
第4回会員企業対抗13の徳目朝礼大会の充実
「楽なトレーニングは役に立たない」といわれます。自己観察学習、自己洞察学習のツールとして、リアリティーのある工夫されたブロック大会の開催も含め、全国大会での審査がより効果的な映像など、より一層の充実を図り、リ・テンションプログラムとして活用する会員企業様が増えてきました。
中小企業らしく、経営理念の浸透や、OJTとして活用している企業の、人財定着には驚かされます。全国大会in浜松でも、より一層工夫した「第3回会員企業対抗13の徳目朝礼大会」を開催いただきました、歴代の公式教材活用委員長・公式教材普及委員長や担当副会長の永年にわたるご尽力に感謝申し上げます。
実践策8)
第32回全国経営発表大会の成功
全国経営発表大会は、日創研経営研究会本部主催の最も重要な基幹事業です。2025年度は、大阪・関西万博の開催に伴い、11月に変更しての開催でした。2026年度は開催月を9月に戻し、大阪国際会議場でのリアル開催にて経営発表大会委員長はじめ、明確な目標を持った流れでの全国経営発表大会のご参加をお願いしたく思います。
実践策9)
特別研修(オンライン開催)
会場費の年々の高騰に伴い、特別研修は2026年度も引き続きオンラインで一日開催とさせていただきます。本来は、登録料を値上げしてでもリアル開催を行いたく、時機到来を望んでいます。
2026年度は、特別研修の開催前日に本部正副役員会議・本部理事会・本部主催勉強会(担当:経営理念・戦略委員会)の開催もありますので、引き続きオンラインで一日開催とすることをご了承いただきたく思います。
実践策10)
日創研講師による5時間セミナーの例会の再開
コロナ禍で休止していた、日創研講師による5時間セミナーの例会を2026年度より再開します。
● プログラム: 「業績アップ5時間セミナー」のみ
● 講師: 松原誠、末武弘稔、田舞登志徳(㈱音羽 代表取締役社長)の中から1名
● 開催数: 3名の合計で年間10回まで
● チケット代:税込10,000円
● 講師料・交通費・宿泊費は無料
● 備考:各講師が各地へお伺いしてのリアル開催がベストですが、講師のスケジュールや開催地により、オンラインでの登壇となる場合がありますことを、あらかじめご了承いただきたく思います。
実践策11)
例会における本部派遣レクチャラーの最大活用
日創研経営研究会における例会は、日創研経営研究会の一つの理念・二つの目的・三つの誓い・会員心得10ヵ条(行動規範)に基づいて、「本部会長方針を展開する場」とすることが目的です。
本部派遣レクチャラーは、「本部レクチャラー選定基準」に基づき、
1.本部会長方針の理解と促進
2.公式教材の「13の徳目」を使用しての朝礼の実施
3.公式教材の月刊『理念と経営』を使っての「理念と経営・共に学ぶ会」の開催
4.日創研が開催する研修(通称:本部研修)を継続的に学んでいる
5.黒字経営の実践に努めている
6.例会・懇談会運営のアドバイスができる
上記の選定基準を満たしたメンバーのみで構成しており、本部派遣レクチャラーの招聘回数が多い各地経営研究会ほど、本部研修受講率が高いという相関関係も示されています。
2026年度、本部派遣レクチャラーには、「社長力・管理力・現場力の三位一体経営」を通して、どのようにお客様に喜びを提供し、顧客価値の向上に努めているのか、自社での人財採用・教育・定着策を各地例会でお伝えいただきたく思います。
実践策12)
「グロースカレッジを活用した人財育成と業績アップセミナー」を、2026年度も日創研主催で開催いたしますが、詳しくは本部事務局長方針をご参照願います。
● 本部後援依頼事項
株式会社日本創造教育研究所主催事業への後援
1.第7回目標実現アンバサダー大会
2.第8回TTアワード経営発表大会
日創研経営研究会
本部会長 田舞徳太郎






















